「子どもを信じる」って、こんなに難しい。田中茂樹さんの『子どもを信じること』を読んで

田中茂樹さんの『子どもを信じること』を読んで

こんにちは、Mellowです。

Mellow

・30代女性
・会社員
・夫と娘の3人家族

1児の母が日々のあれこれを自由に書きとめる雑記です。

Mellowをフォローする

子育てをしていると、「この子のために、今のうちにしてあげられることは何だろう」と考えることが増えた。

習い事は何をさせよう。
勉強はいつから始めればいいんだろう。
できることを増やしてあげたほうがいいのかな。
危ないことは、できるだけ避けてあげたほうがいいよね。

そんなふうに考えていると、いつの間にか「子どものため」と思って、親がつい先回りしてしまうことがあります。

そんな私が興味をもって読んだ本が、田中茂樹さんの子どもを信じること [ 田中 茂樹 ]

この本は、医師・臨床心理士であり、4人の子どもを育てる父親でもある田中さんが、さまざまな親子の相談事例をもとに、親子の関係やコミュニケーションについて考えた一冊になっています。

読み進めるうちに、「子どものために何かをしてあげる」ことよりも、子ども自身が持っている力を信じることのほうが、ずっと大切なのかもしれないと気づき、新鮮な視点が生まれました。

今回は、3歳の娘を育てる私が読書して、特に心に残ったことをまとめてみます。

勉強よりも、今しかできないことを大切にしたい

まず印象に残ったのが、「勉強よりも大切なこと」という考え方。

子どもがまだ小さいうちは、文字を覚えたり、数字を覚えたりすることよりも、言葉がまだ十分に発達していない時期だからこそできる経験や、人とのコミュニケーションを大切にする。

本書の目次にも「勉強よりも大切なこと」「子どもは導かないと成長しないのか?」という章があり、子どもの成長を親が先回りして導こうとすることについて考えさせられます。(版元ドットコム)

ちょうど娘が3歳になり、「そろそろ何か習い事を始めたほうがいいかな」と考え始めていたところでした。
もちろん習い事が悪いわけではありません。

でも、

「周りが始めているから」
「今のうちにやっておいたほうがいいから」
「将来困らないように」

という親の焦りだけで、子どもの時間を埋めてしまう必要はないのかもしれない。

その子にとって、しかるべき時期はそれぞれやってくる。
今は、親子で話したり、一緒に遊んだり、くだらないことで笑ったり、本人が興味を持ったものに夢中になったり。
そういう時間も、決して「何もしていない時間」ではないんだと改めて学んだ。

「危ないから」「失敗しないように」と現実を加工していないか

もうひとつ強く印象に残ったのが、親が子どもの出会う「現実」を加工してしまうことについて。

– 子どもが失敗しそうになると、つい手を出してしまう。
– 危なそうなら先に止める。
– 困らないように準備してあげる。

親としては、当然のことのようにも思えます。
でも、それを繰り返していると、子どもが自分で現実に向き合い、試して、失敗して、そこから考える機会まで奪ってしまうことがある。

この本では「近すぎる親」の問題として、子どもが出会う現実を親が加工してしまうことが取り上げられています。一方で、現実を加工しないことは「放っておくこと」と同じではなく、安全を確保したうえで、子ども自身が経験することも大切だとされています。

この違いは、子育てをしていると本当に難しい。
危険から子どもを守ることは、もちろん親の役目。

でも、「危険」ではなく「失敗」まで取り除いてしまっていないかな。

そんなことを、自分自身に問いかけるようになった気がします。

「距離が近すぎる親」の話に、自分の過去を重ね

「近すぎる親」の章では、個人的に苦しい感情にもなった。

子どもと自分を一体化させてしまい、子どもが経験するはずだった現実に親が先回りして介入する。
必要以上の手を加え、子どもを守っているつもりになっている。

毒親育ちの私は、思わず自分の親子関係について回想した。
自分が子どもの頃に感じていたこと、親になった今でも残っている感覚はこの章に出てくる親だった。
こういったものを思い返すと苦しくて、「自分が親から受け取ったものを、そのまま次の世代に渡したくない」という気持ちがメラメラ湧いてくる。

無意識のうちに受け継いでしまうものがあるのならば、自分のところで止める。

この本を読んで、改めてそんなことを思いました。

「空腹の自由、食欲の自由、排泄の自由」にハッとした

個人的に、とても印象に残ったのが「空腹の自由、食欲の自由、排泄の自由」という章。

食べること。
トイレに行くこと。

どれも子どもが小さいうちは、親がつい口を出してしまう場面ですよね。

「もう少し食べて」
「トイレ行っておいたら?」
「食べ過ぎでしょ」

私自身も、日常の中で繰り返し放っている台詞。
しかし空腹や食欲、排泄といった生理的な欲求についても、子ども自身が持つ”感覚”がある。

もちろん、まだ小さい子どもなので、親がサポートする必要はあります。
それでも、「親が管理しなければ」と過干渉しすぎるのではなく、子ども自身が感じている欲求を待つことも大切なんだと気づく。

田中さんはこの本の中で度々「まず楽しむこと」とおっしゃっています。
子ども自身が興味や楽しい気持ちを養えた場面では、スムーズに事が運ぶことも実体験があります。

「親が正解を教える」日常より、「あなた自身の感覚で楽しんで!」と伝えられたら最上級にゆとりがある…けど、これはなかなかハードルが高くもある(笑)

子どもを「生かすこと」に、必死になりすぎなくていい

本を読み終えて、一番大きかったのはこの感覚でした。

小さな子どもを守ること。
食事を用意して、危険から守って、健康に気を配って、必要なことを教えるのは親の責務。
でも、子どもは親がすべてを与えなければ何もできない存在ではないんですよね。

毎日の生活の中で、

「これがしたい」
「これは嫌」
「もっと食べたい」
「もういらない」
「自分でやりたい」

という本人の欲や意思が少しずつ確実に育っている。

親がするべきなのは、それを全部先回りして整えるのではなく、その成長に気づいて必要なときに支えることなのかもしれません。

子どもを信じること

子育てをしていると「信じる」は、ものすごく難しい。

「ちゃんと育てなきゃ」と思うほど、親は細かい事ひとつひとつに不安になり、不安になるほど口を出したくなる。
でも、子どもを信じることができれば、むしろ親の役割は少し軽くなるのかもしれません。

失敗しても大丈夫!
自分で考えることができる。
自分の「やりたい」「嫌だ」という気持ちを持っている。
そして、自分の人生を自分で生きていく力を少しずつ身につけていく。

子どもが自分の力で進んでいく姿を、信じて見守る。
親としての腕の見せどころかもしれない。

「この子は、この子の力でちゃんと育っていく」
そう信じて、今しかできない親子の時間をもっと楽しめたらいいな。

『子どもを信じること』の基本情報

楽天ブックス
¥3,080 (2026/08/24 11:54時点 | 楽天市場調べ)
\楽天ポイント4倍セール!/
楽天市場

著者:田中茂樹
出版社:さいはて社
発売日:2019年4月(さいはて社版)
ページ数:336ページ

『子どもを信じること』は、子どものための本であると同時に、「ちゃんと育てなきゃ」と頑張りすぎている親の肩の力を抜いてくれる本でもあります。

子どもを信じること。
そして、子どもを信じられる自分でいること。
これからの子育てで大切にしていきたい感覚となり、不安や心配に襲われたらまた読み返したいと思える一冊。

子育てに少し疲れたときや、「もっとちゃんとしなきゃ」と頑張りすぎているときに、ぜひ手に取ってみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました